二 階 展示室

日本画  「 華厳の滝 」・「 爽 」 松永光玉 二曲一双屏風 1984年

松永光玉先生は1902年、静岡県焼津市に生まれ、1922年、画家たらんとして上京。1987年、85歳で亡くなられるまで画業を貫かれました。
岡本陸郎は松永先生の画塾に8歳から通い、中学生の夏休みには先生の横で花の絵を一週間かけて描いたり、又、大学生の夏には先生と二人で長野県の山奥に十日間写生の旅をしています。
先生とは亡くなられるまで、ひんぱんな手紙の往復がありました。
先生は世の中を美しくしようと正義感にあふれた社会活動を続けられましたが、80歳近くなられて、その全てを後進にゆずられ、人間の善悪是非の世界から身を退けて、絵を描く 事に専念され、80歳からの数年間に生涯を代表する「のり越えて」「爽」などの作品を残されました。
「爽」は鮮烈な水の流れに若い木の枝が緑の葉をしなやかにさしのべて、80歳を越えられてなお、はげしさと清新さに満ちた気迫のこもった作品になっています。

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